自分でもできるバルブクリアランス調整

バルブクリアランスのメンテナンス方法について解説

バイクのバルブクリアランスは、基準値になるように調整されています。
しかし、長年乗り続けていると基準値から徐々に外れていくことがあります。
基準値から外れているので、そのまま走り続けているとエンジンに不具合が発生する可能性もあります。

バルブクリアランスの調整は、自分でも行うことは可能です。
ただしマイクロメーターやシックネスゲージ、磁石などが必要なので準備してください。
シム式の場合、シムを削るための道具も用意しましょう。

まずはクラッチカバーを外しますが、レンチを使えばボルトは外れるはずです。
するとパルシングローターが見えてくるはずですので、こちらのクランクを回しましょう。

次に、エンジンのヘッドカバーを外してください。
このときオイルが出てくることもあるので、受け皿を用意しておくといいでしょう。
ここまで来たらバルブクリアランスを測定しますので、シックネスゲージを用意してください。
シックネスゲージにはそれぞれに厚みが記載されているはずですので、組み合わせて隙間に差し込みましょう。

この時、カムがバルブを押していない状態で行ってください。
基準値から外れているのであれば、アジャストスクリューを回して調整しましょう。

シム式のバイクの場合、シムを取り外して厚みを計測しましょう。
調整する必要がある場合には、オイルストーンやダイヤモンド削り、ディスクグラインダーなどを使ってシムを削りましょう。

バルブクリアランスの調整時の注意点

バルブクリアランスを調整する際には、吸気側と排気側の調整を行うように注意してください。
吸排気両方のバルブが正常に開閉しなければ、エンジンがもともと持っているパフォーマンスを発揮できません。

また、バルブクリアランスの幅には注意しましょう。
車種によって基準値が決められているので、その幅に合わせてください。
狭すぎても広すぎてもトラブルに発展する恐れがあります。

もしバイクを直前まで使用していたのであれば、エンジンが冷えるまで待って作業を進めてください。
というのもクリアランスの基準値は、エンジンが冷えている状態を前提にしているからです。
エンジンに熱の残っている状態だと、正確な調整ができなくなるわけです。

まとめ

バルブクリアランスは経年劣化や摩耗で基準値から外れてしまうことがあります。
基準値から外れたままでバイクを使っていると、エンジンパワーが低下したり、アイドリング時の不調が発生したりするかもしれません。
定期的に測定して、基準値から外れているなら速やかに調整しましょう。

ここで紹介したように、自分でも作業は可能です。
しかしメンテナンスをあまりやったことのない人は、無理に自分でやらずにショップにお願いするのも一考です。