冷却水(ラジエーター液)のメンテナンス

冷却水のメンテナンスはどのようにすればよいのか

バイクのメンテナンスは様々なものがありますが、種類が多いためにどのような対処をすれば良いかわからない部分も少なくありません。
たくさんの部分を定期的にメンテナンスするとなると大変なので、手を抜ける場所はできるだけ簡単に済ませたいと思うものです。

簡単にできるメンテナンスの一つとして、冷却水があります。
冷却水は特別なメンテナンスをしなくても、継ぎ足しをするだけで良いので簡単です。

冷却水が継ぎ足しだけで良い理由

メンテナンスというと、大掛かりに掃除をしたりパーツを交換したりするイメージがあります。
そのため冷却水のメンテナンスが継ぎ足しだけで大丈夫といわれても、少し不安になるものです。
冷却水が継ぎ足しだけで良いのには、いくつかの理由があります。

まずは冷却水に入れているLLCの効果が2年以上保てることです。
冷却水の中に入っているLLCの濃度が適切であれば、冷却効果は維持することができるので、継ぎ足して濃度を一定に保てば十分効果が得られます。

どうしても冷却をしていると水が蒸発するので、定期的な補充は必要です。
しかし中身の入れ替えをしたり洗ったりせず、そのまま蒸発した分を継ぎ足せば効果を維持することができます。

冷却水を継ぎ足す際の注意点

冷却水を継ぎ足す作業自体は難しいものではないですが、作業をする際にいくつか気を付けるべきことがあります。
まずは、継ぎ足しをするクーラント液の色を統一することです。

クーラント液には赤や緑など色がついています。
色は誤飲防止のためについているもので、色の違いで性能に違いが出るわけではありません。
しかし色を混ぜてしまうと冷却水が濁ってしまい、冷却水の状態が確認できなくなってしまいます。

また、冷却水は水道水やミネラルウォーターを使うと、水の中のミネラル分が蓄積して錆びる原因となるので気を付けましょう。
錆びが出てくると冷却効果が落ちてしまうので、工業用水や蒸留水を使うようにします。
硬度の高いミネラルウォーターは特にミネラル分が発生しやすいので注意が必要です。

液体の色に応じて中身の交換が必要

冷却水は色によって交換時期が異なります。
一般的に赤や緑は2年ごと、青やピンクは7年から10年ごとの交換が必要です。

減ってきたところで冷却水を継ぎ足していくのでも十分冷却効果を維持することはできます。
しかし、古い冷却水が 残ったままだと中のLLCの濃度がどのくらいかわかりにくいです。
そこで液体の色に応じて定期的な交換は行うようにしましょう。

ただし、冷却水の中が濁っていたり、錆びが浮いていたりする場合には、エンジントラブルを起こす可能性があるのでバイクショップに持って行き見てもらうことが望ましいです。
場合によってはラジエーターを修理する必要があります。