タンクのへこみを引っ張り出す方法

タンクの凹みは自分でも直せることがある

バイクはいつまでもきれいな状態で乗り続けたいものです。
しかし、乗っている途中で転倒したりぶつけたりすることもあり、そういったときに意外と簡単にタンクがへこんでしまうことがあります。

へこんだ状態で乗り続けるのは気持ちの良いものではありません。
板金工場に持って行ったりバイク修理店に持って行ったりすれば専門の技術で引っ張り出しという作業をしてくれ、へこみ部分を引っ張り出してもらうことが可能です。

このような作業はプロでなければできないと思われがちですがそのようなことはありません。
専門の機器が無いので代用するダ王具を用意することが必要ですが、自分でも直すことができます。
すぐに見た目の状態をよくしたい、あまりお金をかけずにへこみを直したいという人は自分で作業をしてみてから修理に出すかどうかを決めるのも一つの方法です。

自分でタンクの凹みを直す方法

へこんでいる部分を直すには、ただ叩くだけではなく塗装をはぐことから必要です。
そこでハクリ剤を使って修正する箇所の塗装をはいでいきます。
簡単にはぎ落すためにはハクリ剤はたくさん塗り、修正する箇所全体にしっかりと塗っていきましょう。

ハクリ剤は気温が20度以上あればすぐに反応して塗装が浮いてきます。
しかし寒い時期で思うように浮かんでこないという場合にはヒーターをあてて反応を促すということも可能です。

塗装がぶくぶくと浮かんで来たらスクレパーで取り除いていきます。
一度で落としきれない場合には再度ハクリ剤を塗布して同じ作業を繰り返してすべてきれいにはがしていきましょう。

すべて塗装が取れたらスプリングワッシャーを使ってへこんでいる部分に仮止め程度に溶接固定をしていきます。
角ナットでハンダやロウ付けでも固定ができます。

へこんでいる部分溶接固定したワッシャーを使い引っ張り出していきます。
ある程度全体が出てきたら折れ目が入っている部分や引っ張り出しが甘い部分を溶接して同じように引き出します。

一通り作業が進み引っ張り出しが完了したら小型でぃおすくグラインダーにカッティングディスクを取り付けて溶接したワッシャーを取り出していきます。
このときタンクを削らないように気を付けましょう。
この作業が最も難しい部分であり、失敗すると後の修復が大変です。

ワッシャーを取り除いたら残りを慎重に取り除き、削り取りをしていきます。
表面がある程度整ったらガストーチで凹凸をならしていきます。
全体を平均的に温めて出すぎている部分をハンマーでたたいて均一に仕上げていきます。

仕上げとしてトーチをあぶって濡らしたウェスを押し付けると急激に鉄板が冷やされて縮むことで平面になりハリが出て効果的です。
全体的に最後にサンディングをして整えたら作業完了です。